山形県のお城を巡るなら、復原された城門や石垣を楽しめる平城から、戦国時代の攻防を体感できる山城まで幅広い選択肢があります。
特に山形城、米沢城、上山城は交通の便が比較的よく、初めて山形で城めぐりをする人にも立ち寄りやすいスポットです。
一方で、長谷堂城や畑谷城、舘山城のような山城へ足を延ばすと、最上氏や上杉氏、伊達氏が争った戦国時代の山形をより深く感じられます。
現在は天守が残る城ばかりではありませんが、堀や土塁、石垣、曲輪、城下町などを見ることで、それぞれの城が果たした役割を読み取れます。
ここでは代表的な城を紹介するとともに、歴史人物、城郭のタイプ、観光しやすさなどから、自分に合った城めぐりの方法を紹介します。
山形県のお城おすすめ7選
山形県内で城めぐりをするなら、まず候補にしたいのが山形城、米沢城、上山城、鶴ヶ岡城、舘山城、長谷堂城、畑谷城です。
同じ城跡でも、復原建築を楽しめる場所、藩政時代の歴史を感じられる場所、本格的な山城遺構を歩ける場所など魅力は大きく異なります。
観光旅行として訪れるなら山形城や米沢城、上山城が組み込みやすく、戦国史を重視するなら長谷堂城や畑谷城、舘山城も見逃せません。
目的に合う城を選ぶと、山形の歴史がより立体的に見えてきます。
山形城
山形城は山形市中心部にあり、現在の霞城公園一帯に残る山形県を代表する城跡です。
最上義光によって大規模な城郭へ整備されたことで知られ、現在は二ノ丸東大手門や本丸一文字門大手橋などが復原され、往時の規模をイメージしやすくなっています。
1986年に国の史跡となり、日本100名城にも選ばれているため、山形で最初に訪れる城として特におすすめです。
JR山形駅から徒歩圏にあり、城めぐりだけでなく市内観光と組み合わせやすい点も大きな魅力です。
| 名称 | 山形城 |
|---|---|
| 城郭タイプ | 平城 |
| 主な見どころ | 東大手門・石垣・堀 |
| 向いている人 | 初めての城めぐり |
| 料金目安 | 霞城公園は無料 |
| 注意点 | 整備工事の状況を事前確認 |
| 住所 | 山形県山形市霞城町1 |
米沢城
米沢城は米沢市中心部の松が岬公園に位置し、上杉景勝や上杉鷹山など米沢藩上杉家の歴史を感じられる城跡です。
本丸跡には現在上杉神社が建ち、周囲には水堀が残っているため、城跡としての雰囲気を散策しながら楽しめます。
天守や大規模な櫓を見るタイプの城ではありませんが、上杉氏をテーマに山形を旅行する人にとっては欠かせない場所です。
周辺には伝国の杜や上杉伯爵邸などもあり、米沢の歴史文化をまとめて巡りやすくなっています。
| 名称 | 米沢城 |
|---|---|
| 城郭タイプ | 平城 |
| 主な見どころ | 堀・本丸跡・上杉神社 |
| 向いている人 | 上杉氏が好きな人 |
| 料金目安 | 松が岬公園は無料 |
| 注意点 | 現存天守はなし |
| 住所 | 山形県米沢市丸の内1 |
上山城
上山城はかみのやま温泉の市街地にあり、城らしい外観の建物を見ながら歴史資料にも触れたい人に向いています。
現在の建物は歴史上の天守がそのまま残ったものではなく、1982年に開館した上山城郷土資料館です。
館内では上山の歴史や文化を学ぶことができ、展望フロアからは市街地や周囲の山々を望めます。
温泉街から歩いて訪れやすいため、城めぐりと温泉旅行を一度に楽しみたい場合にも便利です。
| 名称 | 上山城 |
|---|---|
| 城郭タイプ | 平山城 |
| 主な見どころ | 郷土資料館・展望 |
| 向いている人 | 城と温泉を楽しみたい人 |
| 料金目安 | 大人600円 |
| 注意点 | 現在の建物は復興施設 |
| 住所 | 山形県上山市元城内3-7 |
鶴ヶ岡城
鶴ヶ岡城は現在の鶴岡公園にあたり、庄内藩を治めた酒井氏の居城として知られています。
建物の多くは明治時代に失われましたが、堀や土塁などに城郭の面影が残り、城下町鶴岡の中心だった場所を歩いて体感できます。
本丸跡には荘内神社があり、周囲には致道博物館や大宝館、藤沢周平記念館など歴史文化施設が集まっています。
城単体を見るというより、庄内藩の城下町全体を歩くつもりで訪れると満足しやすい場所です。
| 名称 | 鶴ヶ岡城 |
|---|---|
| 城郭タイプ | 平城 |
| 主な見どころ | 堀・土塁・本丸跡 |
| 向いている人 | 庄内藩の歴史が好きな人 |
| 料金目安 | 鶴岡公園は無料 |
| 注意点 | 城郭建築はほぼ現存しない |
| 住所 | 山形県鶴岡市馬場町4 |
舘山城
舘山城跡は米沢市西部に残る国指定史跡で、戦国時代の山城を実際に歩いて楽しみたい人におすすめです。
大樽川と小樽川にはさまれた丘陵上に築かれた天然の要害で、伊達氏との関係が深い城館として研究されてきました。
発掘調査では上杉氏による整備を示す遺構も確認されており、伊達氏から上杉氏へと移り変わった米沢の歴史を考えるうえでも興味深い場所です。
整備された観光城郭とは性格が異なるため、歩きやすい靴を用意して遺構そのものを観察する楽しみ方が向いています。
| 名称 | 舘山城 |
|---|---|
| 城郭タイプ | 山城 |
| 主な見どころ | 曲輪・虎口・石垣 |
| 向いている人 | 山城好き |
| 料金目安 | 城跡見学は基本無料 |
| 注意点 | 登山向けの服装を推奨 |
| 住所 | 山形県米沢市舘山周辺 |
長谷堂城
長谷堂城は慶長5年の長谷堂合戦で知られ、直江兼続率いる上杉軍と最上方が激しく戦った舞台です。
現在は長谷堂城跡公園として整備され、城山を歩きながら曲輪や地形を観察できます。
山形城を守る重要拠点だったことを意識して歩くと、単なる小規模な山城ではなく、山形盆地をめぐる攻防の要所だったことが理解しやすくなります。
山形城とあわせて訪れると、最上義光と直江兼続が戦った慶長出羽合戦の流れを追いやすくなります。
| 名称 | 長谷堂城 |
|---|---|
| 城郭タイプ | 山城 |
| 主な見どころ | 曲輪・城山・合戦史跡 |
| 向いている人 | 戦国合戦が好きな人 |
| 料金目安 | 城跡公園は無料 |
| 注意点 | 坂道を歩ける靴が便利 |
| 住所 | 山形県山形市長谷堂 |
畑谷城
畑谷城は山辺町に残る山城で、慶長出羽合戦における激戦地として知られています。
山形城西方を守る支城であり、上杉領だった置賜方面から山形へ向かう街道を押さえる重要な位置に築かれていました。
慶長5年には城主の江口五兵衛光清が上杉軍を迎え撃ち、激しい戦いの末に落城しています。
空堀や土塁など戦国期の山城らしい遺構を見ることができるため、観光施設よりも本物の城跡を歩きたい人に向いています。
| 名称 | 畑谷城 |
|---|---|
| 城郭タイプ | 山城 |
| 主な見どころ | 空堀・土塁・主郭 |
| 向いている人 | 戦国山城が好きな人 |
| 料金目安 | 城跡見学は基本無料 |
| 注意点 | 山道に適した服装を推奨 |
| 住所 | 山形県東村山郡山辺町畑谷 |
山形のお城はタイプを知ると選びやすい
山形県内の城を見比べると、一般的な観光客が想像する城らしい建物がある場所だけでなく、堀や土塁だけが残る城跡や山中に遺構が残る山城も多いことに気付きます。
そのため、天守のような建物を見ることだけを目的にすると、期待していた城めぐりとの違いを感じる可能性があります。
平城、平山城、山城という大まかな特徴を理解してから行き先を決めると、自分が見たい城を選びやすくなります。
平城
平地に築かれた平城は城下町と一体になって発展した例が多く、現在も市街地中心部に城跡が残っているケースがあります。
山形城、米沢城、鶴ヶ岡城などは観光ルートへ組み込みやすく、急な山道を登らずに歴史散策を楽しみたい人に適しています。
| 比較項目 | 特徴 |
|---|---|
| 代表例 | 山形城・米沢城 |
| 歩きやすさ | 比較的歩きやすい |
| 主な遺構 | 堀・石垣・土塁 |
| 観光との相性 | 非常に良い |
山城
山城は尾根や斜面など自然地形を防御に利用した城で、戦国時代の軍事拠点として築かれた例が多くあります。
天守を見る場所ではなく、空堀、曲輪、虎口、土塁などを地形と合わせて観察することが主な楽しみ方です。
山形で本格的な山城を楽しむなら、次のような場所が候補になります。
- 舘山城
- 長谷堂城
- 畑谷城
復興城郭
現在大きな城郭風建築が見えるからといって、江戸時代以前の天守がそのまま現存しているとは限りません。
上山城の現在の建物は郷土資料館として建設された施設なので、歴史資料を学べる観光施設として楽しむのが適しています。
建物の歴史的な真正性だけで評価するのではなく、展望や展示、周辺の城下町まで含めて楽しむと魅力が広がります。
- 展望を楽しむ
- 郷土資料を見る
- 城下町を歩く
- 温泉街と組み合わせる
武将から選ぶ山形の城めぐり
山形県の城は、最上氏、上杉氏、伊達氏、酒井氏など東北史を代表する大名家と深く結び付いています。
有名な武将を入口に城を選ぶと、それぞれの城がなぜその場所に築かれたのかまで理解しやすくなります。
特に戦国時代から江戸時代への移り変わりを追うと、山形県内だけでも非常に多彩な歴史を楽しめます。
最上義光
最上義光をテーマにするなら山形城を中心に、長谷堂城と畑谷城へ広げるルートがおすすめです。
山形城は最上氏の本拠であり、周囲の支城が連携することで広い領域を守る城郭ネットワークが形成されていました。
慶長出羽合戦に関係する場所を続けて巡れば、個々の城を見るだけでは分かりにくい地理的な関係も理解できます。
- 山形城
- 長谷堂城
- 畑谷城
- 最上義光歴史館
上杉氏
上杉氏をテーマにする場合は、米沢城が最も分かりやすい中心地になります。
現在の本丸跡には上杉神社があり、城の周囲には上杉家に関連する歴史スポットが集中しています。
長谷堂城へ足を延ばせば、上杉景勝の家臣である直江兼続が最上領へ進軍した慶長出羽合戦についても現地で学べます。
| 場所 | 上杉氏との関係 |
|---|---|
| 米沢城 | 米沢藩上杉家の居城 |
| 長谷堂城 | 直江兼続軍との戦場 |
| 舘山城 | 上杉氏の整備痕跡 |
| 上杉神社 | 米沢城本丸跡 |
伊達氏
伊達氏と山形県の関係を知りたい場合に注目したいのが米沢市の舘山城です。
伊達政宗は現在の宮城県だけでなく、青年期まで米沢を本拠とする伊達氏の歴史の中で育っています。
舘山城跡は伊達氏に関係する城館として知られ、米沢が戦国時代の重要拠点だったことを感じられる場所です。
- 舘山城の曲輪
- 桝形虎口
- 石垣遺構
- 周辺の米沢盆地
初めての城めぐりなら観光しやすさも重要
山形県内には魅力的な城跡が数多くありますが、公共交通だけで簡単に行ける場所と、自動車があったほうが便利な場所では旅行の難易度が大きく違います。
初めて訪れる場合は、歴史的重要性だけでなく、駅からの距離や周辺観光の充実度まで考えて選ぶのがおすすめです。
特に短時間の旅行なら、市街地型の城を中心にすると効率良く観光できます。
電車旅行
公共交通中心なら、山形城、米沢城、上山城が比較的組み込みやすい候補です。
それぞれ山形駅、米沢駅、かみのやま温泉駅を拠点にできるため、山形新幹線を利用した旅行とも相性があります。
鉄道旅行で候補にしやすい場所を整理すると次の通りです。
- 山形城
- 米沢城
- 上山城
- 鶴ヶ岡城
車旅行
レンタカーや自家用車があると、長谷堂城や畑谷城など市街地から離れた城跡も組み込みやすくなります。
特に複数の山城を同日に巡りたい場合は、自動車移動のほうが行程を組みやすくなります。
| 旅行スタイル | おすすめ |
|---|---|
| 駅中心 | 山形城 |
| 温泉旅行 | 上山城 |
| 歴史旅行 | 米沢城 |
| 山城巡り | 長谷堂城・畑谷城 |
子連れ旅行
小さな子どもと一緒なら、本格的な山城よりも平坦な公園として整備されている城跡のほうが歩きやすい傾向があります。
霞城公園や松が岬公園、鶴岡公園なら、城跡を見ながら公園散策として過ごしやすいでしょう。
一方で山城では急斜面や未舗装路を歩く場合があるため、年齢や体力に応じて無理のない場所を選ぶことが大切です。
- 山形城
- 米沢城
- 鶴ヶ岡城
- 上山城
季節ごとに変わる山形の城の楽しみ方
同じ城でも、山形では季節によって景色と歩きやすさが大きく変化します。
春は桜、夏は新緑、秋は紅葉が楽しめる一方、冬は積雪によって山城へのアクセスが難しくなる場合があります。
旅行日程が決まっている場合は、季節に合う城を選ぶことでより快適に観光できます。
春
春の城めぐりでは、城跡と桜を同時に楽しめる場所が人気です。
霞城公園や鶴岡公園は桜の名所としても知られ、歴史散策だけでなく花見を目的に訪れることができます。
春に候補となる代表的な場所は次の通りです。
- 山形城
- 鶴ヶ岡城
- 上山城
- 米沢城
秋
秋は気温が比較的穏やかで、山城を歩くのにも向いている季節です。
木々が色づく時期には、石垣や土塁だけでなく山全体の景観も楽しめます。
ただし日没が早くなるため、山城へ登る場合は余裕のある時間帯から歩き始めることが重要です。
| ポイント | 秋の特徴 |
|---|---|
| 気温 | 比較的歩きやすい |
| 景観 | 紅葉を楽しめる |
| 山城 | 散策向き |
| 注意 | 日没が早い |
冬
山形の冬は積雪が多い地域もあるため、城めぐりでは夏や秋と同じ感覚で予定を組まないことが重要です。
市街地の城跡なら雪景色を楽しめる一方、本格的な山城では積雪や凍結によって安全に歩けない場合があります。
冬に訪れる場合は、当日の天候や現地情報を確認し、市街地型の城を中心に計画するのが現実的です。
- 山形城を中心にする
- 米沢城を候補にする
- 上山城と温泉を組み合わせる
- 山城は積雪状況を確認する
山形の城をもっと楽しむ見方
城跡は天守がないと見るものが少ないと思われがちですが、実際には城の防御施設や地形を理解すると楽しみ方が大きく変わります。
山形には石垣だけでなく、土塁や空堀を中心とする戦国期の城も多く残っています。
現地で少しだけ城郭用語を意識すると、何気ない坂や土の盛り上がりにも意味があることに気付けます。
堀
堀は敵の侵入を防ぐため城の周囲や曲輪の間に設けられた防御施設です。
米沢城や鶴ヶ岡城では水堀が残っているため、現在でも城域を視覚的に把握しやすくなっています。
一方で山城には水を張らない空堀が多く、尾根を分断する堀切など地形を利用した仕組みが見られます。
- 水堀
- 空堀
- 堀切
- 横堀
土塁
土塁は土を盛り上げて造った防御壁で、石垣が少ない城でも重要な遺構になります。
東北地方の城では土を主体とした城郭も多く、土塁を見ることで当時の城域や防御線を推測できます。
| 遺構 | 見るポイント |
|---|---|
| 土塁 | 人工的な盛土 |
| 空堀 | 深く掘られた溝 |
| 曲輪 | 平らな区画 |
| 虎口 | 城への出入口 |
城下町
城だけでなく周辺の街並みを見ると、その城が地域の中心としてどのように機能していたのか理解しやすくなります。
米沢、鶴岡、上山などでは城跡周辺にも藩政時代や城下町文化につながる観光スポットがあります。
時間に余裕があるなら城跡だけを短時間で見て移動するのではなく、周辺の神社、博物館、武家屋敷などまで歩いてみるのがおすすめです。
- 米沢の上杉文化
- 鶴岡の庄内藩文化
- 上山の武家屋敷
- 山形の最上氏史跡
山形のお城は歴史を知ってから巡るとさらに面白い
山形県の城めぐりで最初の一か所を選ぶなら、アクセスの良さ、規模、復原施設の充実度から山形城が有力な候補になります。
上杉氏が好きなら米沢城、城らしい外観と展望を楽しみたいなら上山城、庄内藩の歴史を歩きたいなら鶴ヶ岡城が向いています。
さらに戦国時代の軍事的な城郭を体感したい人は、舘山城、長谷堂城、畑谷城へ足を延ばしてみると、観光城郭とは違った魅力を味わえます。
山形城と長谷堂城、畑谷城を結び付ければ最上氏と上杉氏が争った慶長出羽合戦を追う旅になり、米沢城と舘山城を巡れば伊達氏から上杉氏へ続く米沢の歴史を感じられます。
天守の有無だけでなく、堀、土塁、曲輪、虎口、街道、周辺の城下町まで意識して歩くことが、山形の城を存分に楽しむポイントです。
