山形県には、最上義光ゆかりの山形城をはじめ、上杉家の歴史が色濃く残る米沢城、庄内藩酒井家の居城だった鶴ヶ岡城など、個性豊かな城や城跡が点在しています。
立派な天守が残る城を巡るイメージとは少し異なり、山形の城めぐりでは復原された門や石垣、水堀、土塁、山城の地形などから往時の姿を想像する楽しみがあります。
一方で、上山城のように城郭風の建物を郷土資料館として利用している場所もあり、歴史に詳しくない人でも観光スポットとして楽しみやすいのが魅力です。
日本100名城や続日本100名城に選ばれている城もあるため、御城印や城郭スタンプを目的に山形県を旅したい人にも向いています。
ここでは代表的な城の特徴から歴史、アクセス、季節ごとの楽しみ方まで紹介するので、山形で城めぐりを計画するときの参考にしてください。
山形の城おすすめ8選
山形県で城めぐりをするなら、まず候補に入れたいのが山形城、米沢城、鶴ヶ岡城など県を代表する城跡です。
同じ城でも、復原整備が進む大規模な平城から、本丸跡が公園や神社になっている城、戦国時代の地形を残した山城まで見学スタイルは大きく異なります。
天守を見ることだけを目的にせず、城下町や武将ゆかりの史跡まで含めて巡ると山形の歴史がより立体的に感じられます。
初めて訪れる人にも選びやすい代表的な8城を紹介します。
山形城
山形市中心部にある山形城は、最上氏初代の斯波兼頼が14世紀に築いたと伝わり、戦国大名として知られる最上義光の時代に大規模な整備が進められた城です。
現在は霞城公園として整備され、二ノ丸東大手門、本丸一文字門大手橋、堀、石垣などを見ながら広大な城郭の規模を体感できます。
国指定史跡であり、日本城郭協会の日本100名城にも選ばれているため、山形県で初めて城めぐりをするなら最優先で訪れたい場所です。
JR山形駅から徒歩圏内というアクセスの良さもあり、車を使わない山形観光にも組み込みやすくなっています。
| 名称 | 山形城 |
|---|---|
| 特徴 | 大規模な平城と復原城門 |
| 向いている人 | 初めての城めぐり |
| 料金目安 | 霞城公園の散策は無料 |
| 注意点 | 天守は現存しない |
| 住所 | 山形県山形市霞城町1-7 |
米沢城
米沢城は伊達氏や上杉氏に深く関係する城で、現在は本丸跡を中心とした松が岬公園として整備されています。
城跡には水堀が残り、本丸跡には上杉謙信を祀る上杉神社が鎮座しているため、城郭と上杉家の歴史を一度にたどれるのが大きな魅力です。
周辺には伝国の杜米沢市上杉博物館や上杉神社稽照殿など歴史関連施設が集まり、城跡だけで終わらない充実した歴史散策ができます。
続日本100名城に選ばれているので、100名城スタンプを集めている人にとっても重要な目的地です。
| 名称 | 米沢城 |
|---|---|
| 特徴 | 上杉家ゆかりの城跡 |
| 向いている人 | 戦国武将が好きな人 |
| 料金目安 | 松が岬公園は無料 |
| 注意点 | 天守などの建築物は残らない |
| 住所 | 山形県米沢市丸の内1 |
鶴ヶ岡城
鶴ヶ岡城は庄内藩主酒井家の居城として知られ、現在は鶴岡公園として市民や観光客に親しまれています。
城跡には堀や石垣などが残り、本丸跡には庄内藩主を祀る荘内神社があるため、庄内地方の城下町文化を感じられる場所です。
鶴ヶ岡城は続日本100名城にも選定されており、山形城や米沢城と合わせれば山形県内の主要な100名城めぐりを楽しめます。
鶴岡公園は桜の名所としても知られるため、歴史だけでなく春の景観を目的に訪れるのもおすすめです。
| 名称 | 鶴ヶ岡城 |
|---|---|
| 特徴 | 庄内藩酒井家の居城跡 |
| 向いている人 | 庄内の歴史を巡りたい人 |
| 料金目安 | 公園散策は無料 |
| 注意点 | 天守を見る城ではない |
| 住所 | 山形県鶴岡市馬場町周辺 |
上山城
上山城は月岡城とも呼ばれ、戦国時代には最上氏の勢力圏南端を守る城塞として伊達氏や上杉氏との攻防に関わった城です。
江戸時代には壮麗な城郭が羽州の名城と称されたものの17世紀末に取り壊され、現在見られる城郭風建築は1982年に建てられた郷土資料館です。
館内では上山の歴史や文化を学ぶことができ、展望台からは上山市街や蔵王連峰を眺められます。
石垣や曲輪だけを見る城跡よりも分かりやすい外観を楽しみたい人や、子どもと一緒に歴史観光をしたい人にも選びやすい城です。
| 名称 | 上山城 |
|---|---|
| 特徴 | 城郭風の郷土資料館 |
| 向いている人 | 建物や眺望を楽しみたい人 |
| 料金目安 | 資料館は有料 |
| 注意点 | 現在の建物は模擬天守 |
| 住所 | 山形県上山市元城内3-7 |
新庄城
新庄城は新庄藩祖の戸沢政盛が江戸時代初期に築いた平城で、戸沢氏が代々居城として使用しました。
現在は最上公園として整備されていますが、堀や石垣などが残っており、新庄が城下町として発展した歴史を感じることができます。
園内には戸澤神社や天満神社などもあり、コンパクトな範囲で城跡と地域の歴史を巡れる点が魅力です。
春には多くの桜が咲くため、城郭遺構だけでなく花見を兼ねた散策スポットとしても人気があります。
| 名称 | 新庄城 |
|---|---|
| 特徴 | 堀や石垣が残る平城跡 |
| 向いている人 | 最上地方を観光する人 |
| 料金目安 | 公園散策は無料 |
| 注意点 | 城郭建築は残らない |
| 住所 | 山形県新庄市堀端町6-86 |
長谷堂城
長谷堂城は山形市南西部に位置する山城で、慶長5年の慶長出羽合戦で激しい攻防が行われたことで知られています。
最上方が守る長谷堂城に上杉方の軍勢が迫った戦いは関ヶ原の戦いと同時期に起きており、東北の関ヶ原とも呼ばれる歴史を知るうえで重要な舞台です。
現在は長谷堂城跡公園として整備され、山城ならではの地形を歩きながら山形盆地を望めます。
復原天守を見る観光ではなく、戦国時代の合戦や縄張りを想像しながら歩きたい人に特におすすめです。
| 名称 | 長谷堂城 |
|---|---|
| 特徴 | 慶長出羽合戦の山城 |
| 向いている人 | 合戦史が好きな人 |
| 料金目安 | 城跡散策は無料 |
| 注意点 | 歩きやすい靴が必要 |
| 住所 | 山形県山形市長谷堂 |
天童城
天童城は現在の天童公園がある舞鶴山一帯に築かれていた山城で、中世の天童氏と関係が深い城として知られています。
現在の舞鶴山は市街地を見渡せる公園として整備されており、城跡散策と眺望の両方を楽しめます。
春には桜が咲き、全国的にも知られる天童桜まつりの人間将棋が開催される舞台になるため、城の歴史に詳しくない人でも観光を楽しみやすい場所です。
JR天童駅から徒歩でも向かえるため、山形新幹線を利用して城めぐりをしたい人にも便利です。
| 名称 | 天童城 |
|---|---|
| 特徴 | 舞鶴山に築かれた山城 |
| 向いている人 | 景色や桜も楽しみたい人 |
| 料金目安 | 公園散策は無料 |
| 注意点 | 明確な城郭建築はない |
| 住所 | 山形県天童市天童城山 |
舘山城
舘山城は米沢市西部に残る城跡で、伊達氏と深い関係を持つ中世城郭として国の史跡に指定されています。
米沢城が上杉氏の城として広く知られる一方、舘山城では伊達氏が米沢を本拠としていた時代へ目を向けられるのが魅力です。
山城らしい曲輪や土塁などの地形を観察しながら歩くことができ、整備された観光城とは違った城跡本来の雰囲気を味わえます。
米沢の歴史を深く掘り下げたい場合は、米沢城と舘山城を組み合わせると伊達氏から上杉氏へと続く地域史を理解しやすくなります。
| 名称 | 舘山城 |
|---|---|
| 特徴 | 伊達氏ゆかりの中世城郭 |
| 向いている人 | 山城を歩きたい人 |
| 料金目安 | 城跡散策は無料 |
| 注意点 | 山道対策が必要 |
| 住所 | 山形県米沢市舘山 |
山形で城めぐりをするなら歴史背景を知ると面白さが変わる
山形県の城を巡る面白さは、それぞれの城が単独で存在しているのではなく、最上氏、伊達氏、上杉氏、酒井氏など東北史を代表する大名たちの動きと結び付いていることです。
山形県は地域ごとに政治的な成り立ちが異なるため、村山、置賜、庄内、最上を移動すると同じ県内でも異なる城下町文化が見えてきます。
歴史を少し知ってから現地を見るだけでも、単なる公園だった場所が合戦や藩政の舞台として見えるようになります。
ここでは山形の城を見るうえで押さえておきたい歴史のポイントを紹介します。
最上義光
山形の城を語るうえで欠かせない人物が、戦国時代から江戸時代初頭にかけて出羽で勢力を拡大した最上義光です。
山形城を大規模に整備したことで知られ、山形市の霞城公園には馬上姿の最上義光像も建てられています。
義光に関連する城を巡るなら、山形城だけでなく慶長出羽合戦の舞台となった長谷堂城まで訪れると歴史のつながりが見えてきます。
- 中心地:山形城
- 関連史跡:長谷堂城
- 注目時代:戦国末期
- 代表的合戦:慶長出羽合戦
- 関連施設:最上義光歴史館
上杉氏
置賜地方の城めぐりでは上杉氏が中心となり、米沢城周辺には上杉謙信や上杉景勝、直江兼続、上杉鷹山に関する史跡が集中しています。
会津から米沢へ移った上杉家は江戸時代を通じて米沢藩を治めたため、現在の米沢市にも城下町としての歴史が色濃く残っています。
米沢城だけを見るよりも上杉神社や米沢市上杉博物館を組み合わせることで、戦国時代から江戸時代までの流れをつかみやすくなります。
| 注目人物 | 上杉謙信 |
|---|---|
| 戦国期 | 上杉景勝・直江兼続 |
| 江戸期 | 米沢藩上杉家 |
| 関連城 | 米沢城 |
| 周辺施設 | 上杉神社・上杉博物館 |
庄内藩
山形県西部の庄内地方では、鶴ヶ岡城を中心に酒井家が治めた庄内藩の歴史が城下町鶴岡の形成に大きく関わっています。
鶴ヶ岡城跡周辺には荘内神社や致道館など歴史的な見どころが集まっているため、一か所を短時間だけ訪れるより徒歩で周辺を回るのがおすすめです。
内陸部の最上氏や上杉氏とは異なる庄内独自の歴史文化に触れられることが、山形県内で複数の城を巡る面白さにつながります。
山形城は天守がなくても見どころが多い
山形の城を検索すると、最初に山形城が気になる人は多いでしょう。
現在の山形城には往時の天守が建っているわけではありませんが、広大な城域や堀、石垣、復原された城門から城の規模を十分に感じられます。
山形駅から近く周辺施設も充実しているため、城郭ファンだけでなく一般的な山形観光にも取り入れやすいスポットです。
見学時間に余裕を持ち、公園内部だけでなく周辺の歴史施設まで歩くと満足度が高くなります。
霞城公園
山形城跡を整備した霞城公園は約35ヘクタールを超える広さがあり、市街地の中心にありながら城郭の規模を感じられる都市公園です。
二ノ丸を囲む堀や石垣が景観の大きな特徴で、復原された二ノ丸東大手門は山形城を象徴する撮影スポットになっています。
短時間で門だけを見るより、公園の外周や本丸方面まで歩くと平城としての大きさを理解しやすくなります。
- 二ノ丸東大手門
- 本丸一文字門
- 本丸大手橋
- 二ノ丸の堀
- 最上義光騎馬像
- 桜並木
100名城
山形城は日本城郭協会が選定する日本100名城に含まれており、全国の城を巡ってスタンプを収集している旅行者からも人気があります。
山形県内では米沢城と鶴ヶ岡城が続日本100名城に入っているため、県内で合わせて巡る旅行計画も立てられます。
スタンプ設置場所や利用可能時間は施設休館などによって変わる可能性があるため、訪問直前に最新案内を確認するのが安心です。
| 山形城 | 日本100名城 |
|---|---|
| 米沢城 | 続日本100名城 |
| 鶴ヶ岡城 | 続日本100名城 |
| 楽しみ方 | スタンプ収集 |
| 注意 | 設置時間を事前確認 |
周辺施設
霞城公園周辺には最上義光歴史館、山形県立博物館、山形市郷土館などが集まっているため、歴史好きなら半日程度を使って楽しめます。
最上義光歴史館では山形城の発展に深く関わった最上氏を知ることができるので、城跡を歩く前後に訪れると理解が深まります。
霞城公園だけなら比較的短時間でも見学できますが、歴史施設を組み合わせる場合は開館時間や休館日を考慮して予定を組みましょう。
山形の城は季節を変えると景色も大きく変わる
山形県の城跡は公園として整備されている場所が多く、歴史だけでなく四季の景観を楽しめるのも大きな特徴です。
特に春は霞城公園、鶴岡公園、最上公園、舞鶴山など桜の名所になっている城跡が多く、城めぐりと花見を同時に楽しめます。
一方で山城を歩く場合は暑さや積雪の影響を受けやすいため、季節ごとに服装やルートを変える必要があります。
旅行時期が決まっている人は、その季節に相性の良い城を優先すると効率よく観光できます。
春
春に山形の城を訪れるなら、城跡と桜を一緒に眺められる霞城公園や鶴岡公園が代表的です。
堀や石垣、水面と桜が組み合わさるため、城郭そのものに詳しくない人でも景観目的で楽しめます。
桜の見頃は地域やその年の気候によって変わり、庄内と内陸でも開花状況が異なるため旅行直前に開花情報を確認しましょう。
- 山形城:霞城公園
- 鶴ヶ岡城:鶴岡公園
- 新庄城:最上公園
- 天童城:舞鶴山
- 米沢城:松が岬公園
夏
夏は日照時間が長いため複数の城跡を巡りやすい反面、山城では暑さへの備えが必要です。
山形城や米沢城のように市街地にある平城跡は周辺の観光施設や飲食店と組み合わせやすく、暑い時間帯に屋内施設へ移動できます。
長谷堂城や舘山城など起伏のある城跡を歩くなら、水分を持参して気温が上がり切る前の時間帯を選ぶと負担を減らせます。
| 平城跡 | 比較的歩きやすい |
|---|---|
| 山城 | 暑さ対策が重要 |
| 持ち物 | 飲料・帽子 |
| 時間帯 | 午前中が便利 |
| 服装 | 歩きやすい靴 |
冬
冬の山形は積雪する地域が多いため、城跡の散策条件が春から秋とは大きく変わります。
特に山城では積雪や凍結により通常の散策が難しくなる場合があるため、冬は市街地にある山形城や米沢城などを中心に組み立てるほうが現実的です。
雪景色と石垣や堀の組み合わせは冬ならではの魅力ですが、交通状況や公園内の通行状況を確認して安全を優先してください。
山形の城めぐりはエリアを分けると効率がいい
山形県は南北にも東西にも広いため、県内の代表的な城を一日ですべて巡るのは現実的ではありません。
山形市や上山市を中心とする村山、米沢市を中心とする置賜、鶴岡市を中心とする庄内、新庄市を中心とする最上のように地域を分けると旅程を組みやすくなります。
公共交通機関だけで巡れる城もありますが、複数の山城を効率よく訪れたい場合は車のほうが便利です。
宿泊する場所を先に決め、そこから無理のない範囲で2~3城を選ぶ方法がおすすめです。
村山エリア
山形市を拠点にするなら山形城と長谷堂城を巡り、時間に余裕があれば天童城や上山城を追加できます。
山形城は山形駅から徒歩圏内で、天童方面と上山方面は鉄道でも移動できるため、公共交通機関中心の旅行にも比較的向いています。
城だけでなく山寺やかみのやま温泉などの主要観光地を組み合わせやすいのも村山エリアの魅力です。
- 山形城
- 長谷堂城
- 天童城
- 上山城
- 拠点候補:山形駅周辺
置賜エリア
置賜地方では米沢城を中心にして舘山城を組み合わせると、米沢における伊達氏と上杉氏の歴史をまとめて追うことができます。
米沢城周辺には上杉神社や博物館、飲食店などが集まっているため、徒歩中心でも半日から一日観光を楽しめます。
舘山城まで訪れる場合は移動時間と城跡を歩く時間を確保し、米沢城とは異なる中世山城の雰囲気を楽しみましょう。
| 中心 | 米沢城 |
|---|---|
| 追加候補 | 舘山城 |
| 歴史テーマ | 伊達氏・上杉氏 |
| 観光拠点 | 米沢市街 |
| 周辺観光 | 上杉神社 |
庄内エリア
庄内地方の城めぐりでは鶴ヶ岡城跡を中心に鶴岡市街を歩くプランが組みやすく、城下町の歴史をじっくり味わえます。
鶴岡公園周辺には歴史文化施設が集中しているため、車で次々と場所を変えるより徒歩で街並みを見ながら巡るのがおすすめです。
山形市や米沢市とは距離があるため、内陸部の城と同日に詰め込まず庄内観光の日を分けると余裕のある旅になります。
山形の城は天守だけでなく城下町まで歩いて楽しもう
山形の城を楽しむ最大のポイントは、現存天守の有無だけで訪問先を判断しないことです。
山形城では復原された門や広大な堀、米沢城では上杉家の歴史、鶴ヶ岡城では庄内藩の城下町文化、長谷堂城では戦国時代の合戦地形というように、それぞれ異なる魅力があります。
見た目の分かりやすさを重視するなら上山城、100名城めぐりなら山形城・米沢城・鶴ヶ岡城、戦国史を深く味わうなら長谷堂城や舘山城を候補にすると選びやすいでしょう。
初めてなら山形駅からアクセスしやすい山形城を起点にして、旅行する地域に合わせて米沢、上山、天童、鶴岡、新庄などへ範囲を広げる方法がおすすめです。
城跡だけでなく神社、博物館、旧城下町、温泉、郷土料理まで組み合わせれば、山形の歴史そのものを巡る奥深い旅行を楽しめます。
